ゴロウデラックスという良質な深夜番組があることを知ってほしい

 

TBS系列で木曜の深夜0:41〜に放送(一部地域を除く)されている、"ちょっと刺激的な読書バラエティ"ゴロウ•デラックス、通称ゴロデラ。

番組名の通り稲垣吾郎がホストを務める。外山アナとゲストの3人とADの山田くんの4人で成り立っている。2011年にスタートし、もう5年目だ。

毎回ゲストの方の本を取り上げ、吾郎と外山アナがその本の中の一部分を朗読し、その朗読部分を切り口にゲストとのトークを展開させる。読書バラエティといっても、取り上げる本は小説からエッセイ、歴史本までなんでもあり。そうなると自ずとゲストに招く著者の方の幅もかなり広くなる。タレントや歌手もいれば、滅多にテレビに出ないような"先生"まで。ゲストの方々を見ると、ゴロデラの誠実な番組づくりが裏打ちされているように思う。

私はファンにならなければ、こんなバラエティがあるなんて知り得なかったし、吾郎さんが番組を持っているのすら少し意外だった。

本好きの身としては、他にはない「読書バラエティ」というジャンルに強く惹かれた。また、スタジオでの収録が多いものの、ゲストに合わせてロケをしたり著者の自宅に赴いたりと、柔軟な番組づくりを行っているのも毎週見ていて飽きない。し、ゲストを尊重しているのだなと感じる。


番組の形式や題材的にはNHKでもおかしくない番組だと思う。最近EテレのSWITCH達人インタビューや亀田誠治の音楽専門学校、岩井俊二のムービーラボなどを見ていると、番組としての満足感はあるが、おもしろく"は"ないのだ。教育的意味合いもあるだろうし、おもしろくする必要がないというか、おもしろい、笑いを取るというつもりがないからだろう。出演している人も専門的な人が多い印象を受ける、バラエティに特化した人が出ている割合が低い。
ここにゴロデラのすごさを感じる。前述の通り、ゴロデラはゲストの幅が広い。作家からミュージシャン、タレント、ディレクター、とにかく本を出している人であればよい。テレビに出慣れている人が出るとも限らない。あんまり喋りがうまくない方もいるし、わかりにくい言葉で喋る方もいるかもしれない。ここの緩衝材の役割が、稲垣吾郎だと思う。本質をぱっとつかんで、視聴者にわかりやすい言葉で説明してくれる。なんともない美しい顔でやってのけているが、なかなか出来ることではない。また、吾郎自身のコメントもいつも本当に素敵だ。言葉遣いから吾郎自身の立ち位置まで本当に惚れ惚れする。まず否定しない。そしてわかりやすい。草なぎ剛に吾郎さんはなにしても品があると言わしめるだけある。本当に吾郎は機知に富んでいる人だということがよくわかる。だから多種多様なゲストに対応できるのだろう。

思わず稲垣吾郎について力を入れて書いてしまったが、それだけこの番組における吾郎の重要性は大きい。ぱっと見堅めな読書というジャンルと、相反するバラエティを両立させる。さらにSMAP稲垣吾郎として番組に華を添える。

過剰におもしろくしよう、ということもない本当に誠実な番組だと毎週見てて感じる。ぜひ見てみてほしい。
番組終了間際のAD山田親太朗消しゴムはんこももはやプロ並で見逃せない。

 

木曜19:30〜は文化放送稲垣吾郎のラジオもやっているので、興味を持った方はこちらも合わせて楽しんでいただきたい。