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ピンクとグレー、原作を読んでもう一度見てきた

ジャニーズ 映画 感想

ピンクとグレー原作をさらっとだが、読んでからもう一度見た。

公開初日に見た感想
http://mikuric5.hatenablog.com/entry/2016/01/09/202830


冒頭のシーンは小説の終わりから始まっている
小説は余白を残して終われるけど映画は落とし所をつけないといけない。
少なくとも行定勲さんはそうしているように感じた。

 


アイドル中島裕翔を起用している
アイドル加藤シゲアキ原作
監督が監督として劇中劇にでてる
アジカンのゴッチ主題歌

 

走るシーンで菅田将暉と中島裕翔がまったく同じところを走らせてる。
タワマンの上り方も部屋の階数の数字も、エレベーターで窓から外に目をやるのも廊下でご機嫌に回るのもまったく同じ。
菅田将暉のときのリバちゃんと中島裕翔のリバちゃんを重ねろってメッセージなのではと2回目の鑑賞で気づいた。
初回では今まで見ていたのが劇中劇で役が変わったことに混乱していた。それに伴って中島裕翔の演技に違和感を覚えた。ただ、2回目に見て劇中劇の菅田将暉と後半の中島裕翔を重ねてみることで、この人はごっちなんだと腑に落ちた。菅田将暉もある雑誌のインタビューで2つの映画にでている気分だった、というようなことを言っていた。


公開される前、中島裕翔主演、共演者は菅田将暉夏帆と知って、中島裕翔が彼らに食われてしまうのではと思った人は多かったのではないか。菅田将暉は2015年だけで映画に7本ほど出ている。中島裕翔はHey!Sey!JUMP!のメンバーだしぽっと出の新人というわけではないが、映画は初主演。
最初に劇中劇を見たとき、リバちゃんの菅田将暉はうますぎると思った。中島裕翔のゴッチのほうが売れっこスターの役だが、二人が部屋でドラマのシーンをやり合う場面なんて菅田将暉の気迫が凄まじい。劇中劇が終わるとなんてことない、菅田将暉が演じていたのは成瀬という役者の役で、その成瀬がリバちゃんを演じていた。中島裕翔こそがリバちゃんで売れてない方が主演のゴッチを演じていた。

どこまで監督の采配で思惑なのかさっぱり分からないが、巧くできてるというか。ジャニーズ原作、ジャニーズ主演というだけで興味深いのに。共演の二人に負けず、間違いなく中島裕翔の出世作になると感じた。菅田将暉に初主演でいろいろ相談したりしていて、プライベートでも仲良くなっているのも喜ばしい。中島裕翔がどんどん外から刺激を受けるきっかけにもなりそうで本当に嬉しい。

 

小説と映画では、エピソードやセリフのフィーチャーのされ方が異なっていたようにおもう。

小説
「やらないなんてないんだよ」

映画
「しょーもな」

劇中劇でしょーもなと言いながら幼少期の3人がボールを投げる。これが最後のリバちゃんがジッポをゴッチの看板に向かって投げるシーンに繋がるわけだが、二度目に比べて最初に見たときはやけに、しょーもなーと言いながらボールを投げるシーンが頭に残った。だから最後に彼が走って看板の前にたったとき、これはジッポを投げてしょーもなって言うぞと思った。どこまでもこの映画はロジックみたいなものを大事にしていると思う。構成が綺麗なのかな。

映画ではゴッチは自分勝手な人間にみえる、対して小説のほうがゴッチに対して愛がある。

小説のほうはやはりファンタジーでフィクション。

石田衣良は、「この本はジャニーズの誰かが描いた芸能界の裏側ではなく、才能のある青年が全力で描いた"リアル"だ」と帯に寄せている。

加藤シゲアキがデフォルメした芸能界の世界のリアルを、また行定勲によってちがうデフォルメのされ方をしてより生々しくなったのが映画のピンクとグレーなのかな、と思う。

あとがきで、加藤シゲアキもよく事務所の許可がおりた、自分はリバちゃん側、というようなことを書いてもいて、ああそうだよねと思った。NEWSのことは詳しく知らないが、朝の番組のコメンテーターとしてでるまでは、四人体制になるまでは、顔もぱっと浮かばなかったし、NEWSは山ピーと錦戸くんの二強という印象だった。
彼が自分はリバちゃんの側だと言うのは真実味があるし、虚勢を張らないでそう言ってしまえるのは彼のひとつの魅力でこれからの彼の強味になりそうだと思った。

アイドルが書いた小説だと思ってなめて読んではいけないし、なめられたくないっていう彼の矜持が物語の構成とか細かい文章とかに表れている。
映画の方もぼやっと見てたらストーリーにおいていかれてしまう。


小説を出して売れて映画化されて小説家として大成功した。彼はそれすらも自分がジャニーズというアイドルグループの一員であるからだと強く自覚しているし、このことについても発言しているのを見た。そしてあとがきでは、仕事の合間に小説を書いているが、それができなくなるくらい忙しくなるのが理想(曖昧だがこういう主旨だったと思う)とも書いていて、どこまでも真面目で真摯でファン思いだと思った。

 


ピンクとグレー、映画は映画として見た方がスッと心に入る、原作と映画は別モノ。どちらも大好きだしおもしろいし、何度も観たくなる作品。

 

余談だが、劇中劇の中の「Hey girl」を歌うCMの中島裕翔があの映画の中で一瞬アイドルを出してきて本当にずるい。かっこいい。普通の俳優だとあそこまでキマらないと思う。あのCMフルで欲しい。ジャニーズの強味。